活動せいり

毎日のあれこれを、振り返ります。

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【読了】馬を飛ばそう

今回読んだ本

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いかにも、意識高い系の本に見えるじゃんか~(笑)
何年積読の状態だったかも忘れたほどだが、ようやく読んだ。

はじめに

 本書は副題のとおりアイデアづくりを追求するものだ。

 手順やフローの類ではなく、アイデアづくりに対する認識・バイアスの問題や、取り巻く社会から受ける影響、といった環境の視点よりアプローチされている。

 「アイデアのつくり方」と謳われると、前者・個人の感覚を持つが、研究者に対し、研究所長や経営者といった環境・組織風土設計に関わるポジションまでカバーするような範囲を取り扱っている。

概要

 "アイデアづくり"を、"創造"とし、 創造→天才・神話・・・ と
第六感なり魔法、四次元ポケットのような、"沸いて出るもの"との誤解誤認の存在をはじめに指摘している。

 この誤解をもとに、さらに副次的に発生する誤解と非建設的な事項について多くのページが割かれているように思う。

 極論は(創造とは)、問題解決のプロセスで以て、そのプロセスは万人において差異は無いとしており、

 創造=問題解決・努力の賜物・万人に平等の能力

と結論づけられている。

 従って、方法論を期待される場合は、問題解決に関する実用書を求めたほうがよいと思う。 単に、"頑張れ、努力せよ"としか書いていないように見えてしまうかもしれない。

誤解例

・閃き
  何かを見て、”これだ!!”みたいなの。
  神が与えしものではなく、そもそも問題を自ら考え抜こうとしていた
  からこそ、「これが解法となる!」とか、「解決手段となり得る! 」
  と繋がるものである。努力次第で、些細なことが閃きにもなる。
  宝くじのように、神が与えしものではないし、閃く人が一握りの
  天才や神がかったニュータイプではない。

・天才
  創造=天才・神話と誤解すると、孔明ジョブズの専売特許のように
  思えてくる。。すると、自分の歩みを止めてしまったり、さらには妬み
  のようなものも出てきて・・・ 精神論にまで至る。

馬を飛ばそう って何

 概要=副題から、主題である「馬を飛ばそう」に繋がらず、意味不明となる。日本で売れるためのネーミングかと思いきや・・・

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原著がそもそもでした。
ただ、表紙絵の飛行機がヒントとなります。私なんぞ、馬を飛ばすと来たら、FLYではなくて早馬・伝令といったイメージに勘違いして、情報競争なんかに話が進んでいくのかなと思っていたほど。

 ライト兄弟の飛行機発明(創造)のなかで、姿勢制御の獲得について例が挙げられています。不安定さを「馬」(暴れ馬イメージ)に例えられ、安定した飛行・姿勢制御の獲得・実現を"馬を飛ばす"と表現されたものです。

 安定した姿勢制御を、鳥(の滑空)から学ぼうとしたエピソードから、鳥=安定に対し、馬=不安定 を安定して飛ばすには・・・ということで、向き合う問題が"馬を飛ばす"ようなもの、と捉えられたようです。

【読了】科学的な適職

今回読んだ本

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「さあ、才能に目覚めよう」などで、職探しの分野はおおかた落ち着いていたと思っていたが、当書が本屋の全面に積まれているのを発見し、読んでみたいと思った。

はじめに

「幸福の最大化」を人間のとるべき方向性とし、適職(に就くこと)のあるべき姿も、同じく幸福の追求としている。

本書は、適職の選択について科学的に言及するものである。 就職難や適材適所を謳うものではない。

自分にとっての幸福とは? という価値観的境地を含むため、必ずしも適職に対してクリティカルに、痒い所に手が届く書籍とはならない可能性もあると思います。そこを、科学・統計的に裁き、多きに従う流れとなる。

概要

要は選択のための意思決定論に到達する。 ここで、「幸福の最大化」を目的とした意思決定となると、選択要素の選定や重みづけに苦心する。

本書はこの選択要素に多くのページを割いており、注目すべき要旨であると思う。

選択要素

科学・統計的に、NG/OKと考えられるものを挙げ、解説している。 代表例を以下に挙げる。全量・詳細はネタバレ回避として本書を読まれたい・・・。

◆NGなもの(一例)
 ・好きを仕事にする
   反例:嫌いなものの克服こそ、自己を成長させるなど。
      統計的にも幸福度との相関は低い。

 ・収入
   反例:幸福度は収入に比例しないのは、もはや有名。

◆OKなもの(概要)
 ざっくり記載すると、自由度・評価-進度の明瞭性・社会性(組織/貢献性)・多様性(刺激)・焦点。
 言われてみれば、モチベーションに繋がっているな、と共感できるものばかりだ。うち、「焦点」については見慣れず、興味深かった。

◆焦点
 人間のパーソナリティを「攻撃型」「防御型」に分けて捉える考え方。自己および職務が同型となるように選択する。本書では心理テストのようなものも含まれているため、興味ある方は一読どうぞ。

背景

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意思決定のための「情報」の不足や、心理的な「バイアス」の存在は、意思決定のポイントとしてよく挙げられる点と思う。書籍内では広義に視野狭窄と表現される。 (例えば、会社情報や自己認識にはじまり・・・)。

加えて、本書では適職の選択は単純ではなく多岐多次元な選択と位置づけたうえで、人類はこのような選択が強みとなるような進化を遂げておらず、苦手であるとしてポイントの1つに挙げている。 (例えばちょい前まで士農工商でカエルの子はカエルのような時代を過ごし、多様性・ダイバーシティなんてのは人類史からみれば極最近のこと)。

その他

バイアスの除き方などが記載されている。 手順化された内容も多く親切だ。就活を思わせる、懐かしい雰囲気がある。

【フィカス・ナナ】植え替え

こよみ

2020年5月の下旬。冬眠の時期が終わったので、鉢の植え替えを行いました。 根が鉢底や表面から出ている状況で、狭そう。。。

もっと早くに行う予定だったのですが、コロナ禍にあり店舗が営業していない。 営業再開しても、流通が復旧していないなど、多難の末の実現です。

購入アイテム

鉢、土、石です。

【鉢】白の陶器で高級感を。 ¥4800

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底を見ても仕方ないか・・・

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鉢の中

【土・石】鉢とナナちゃんに最適なものを、購入したお店で用意してもらいました。受け皿も写ってます。

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土と石

軽石ですかね~ ¥400 適量。

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土も、既に各種がブレンド済。 10kg程度購入。¥300/kg

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最後に全景を。 購入当時の、"どノーマル"の鉢から、はやく引っ越ししてあげよう。

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引越前。

植え替え

ま、入れ替えるだけですが・・・ 石を詰めて・・

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石を詰めました。

土を詰めて・・・

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完成

最後に水をたっぷりやれば、完成!!

お世話になったお店

おせわになりました♪ greensnap.jp

【フィカス・ナナ】実の色づき

はじめに

ちまちまと育てていくつもりで、さほど変化しない植物だと思っていたら、 意外と動きがあり、驚いています。 折角なので、成長記を少し残そうと思います。

私のナナちゃんを、自慢するぞー!!

っていうか、初心者なので、小学生の朝顔レベルっす。。 ご指導やアドバイス、超求むです。

近況

現在は2020年の5月。 巷の情報では、4月ごろに冬眠を終了し、水やりの量を増やしていく時期。 コロナ影響で在宅勤務となり、平日も日中はベランダに出すなどの世話を こまめにしていたら、グイグイ成長してきた・・・

実の色づき

っていうか、観葉植物に実ってあるの? みたいな・・・

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実っぽいもの

実であり、花でもあるようなのだが、ようわからん。 写真のように赤くなったのは最近のこと。1か月くらい、緑だった。

新緑ぐいぐい

既に1.5倍くらいに成長しそうな動きであり、想定外。。。 水あげてれば、ぼちぼち育つ、ゆっくり系だと思ってたわ、、

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新芽の様子

芽は葉になり茎になる?

何というか、葉っぱの根本が茎になり、これの継ぎ足しみたいな形で伸びていくのよね。 気づくと伸びてるから、瞬間を観察できたことが無い。。。 小さい葉っぱ、かわいいね。

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新芽

日記一覧

sak-blog.hatenablog.com

【引継ぎ】引継ぎによる明るい未来の検討

はじめに

当記事の母体は下記です。

母体記事では、引継ぎの現実・あるあるを振り返り、
現実に存在する悪い点が引き続き存在することを前提として
前任者や後任者がどう動くべきかを検討しました。

当記事では、この現実の悪い点が発生する理由を探り
改善や明るい未来は実現できるのか検討する内容となります。

途中、母体記事を前提とした表現がございます。

sak-blog.hatenablog.com

下記は姉妹記事です。

sak-blog.hatenablog.com


結論

◆現実の悪い点が発生する理由
厳しい引継ぎに至る背景は下記2点である、
議論の余地としては意図的でない②が対象となる。

①意図して想定された、未曾有の事象への対応時
②管理者の怠慢

性悪説を前提として
ゴールや本質を理解していない管理者が、
経済活動の管理および評価上、細かい期日での成果を
必要以上に部下に求めることから、
形式・可視化可能な成果のみを以てゴール・評価する形となりやすい。

見落とされた、プロセスなどの未完成や劣化への評価欠如は
後手や怠慢、もしくは本当に見落としとなるが、
これに加えて、
危害が出て、可視化・明るみに出るまでに時間を要することから
気づいた時には①のようになっている。

◆私たちにできること
広い視野でプロセスを理解すること。

性悪説に立つと、資本主義である現状、
弱きは強きに利用される結果、不利なポジションに流され
そこで厳しい引継ぎに遭遇する者が出てくる。

だが、
知っているだけ、心構えができるようになり
心構えが出来るだけ、出来ないよりも過ごしやすいものになる。

知らずに自らを責めてしまうような、真面目がバカを見る世の中を
明るくしたいものです。

もくじ


引継ぎによる明るい未来の検討

組織と担当者間の大きな溝

母体記事で、後任者が初心者レベルであれば引継ぎは厳しい旨を記載した。
ベテランから初心者へ試みているようなもので
厳しい局面となることは当たり前かもしれない。

従って、ベテランから初心者への引継ぎ、後任任命を
組織が行うことはしないし、若手は頑張って出世しようと頑張るものだ。
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しかしながら、
現状としては起こり得るケースがあり、私も同じであった。

結果的に、「厳しい引継ぎ」の発生となるわけだが、
例えば、次のようなケースが考えられよう。

ケース例

①組織買収→元社員の退職

買収されたけど、文化が合わなくて・・・短命サヨナラ

ノウハウが欲しくて買収となった組織だったが、
元買収された側の社員の退職が続き
補充できる従業員は、もはや元買収した側の社員しかいない。

もちろん、買収した側にノウハウは無く
(ノウハウ吸収に至る前にサヨナラになってしまった。。)
もしかしたら興味も無い(興味があるのは経営層)。

ベテラン→初心者の引継ぎが実現。。。
1か月後には、確実に退職しますから(怒)、なんてやり取りが浮かびますね。
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②攻防戦
委託先から高額なコストを請求された。
もしくは、委託元から低額なコストを請求された。
頑張ってお勉強をしてきたけど、今度ばかりは契約更新できない・・・

サヨナラしたあとで、委託元は何とかしようとするも
完全委託であったため、ノウハウは全く無い・・・
そして、委託なので、引継ぎも無いです。

マニュアル・システムなどのハード類のみ残留。
書類オンリー→初心者の引継ぎが実現。。。
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③無茶ぶり転売テトリス
空いたポジションに空いた人間を補充するだけの繰り返し。
不当にポジションを維持拡大すべく計られた、悪質な人事交渉。

利益や稼働率のみを追求する人材会社。

仕事は入手したものの人材不足で、適切人材なし。でも断りたくない下心。

そもそも悪質な仕事で何人も辞めているポジションだが
悪質が改善しないため、堂々巡りが発生している場合など。
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アルバイトであれば、マネージャがプロセスを理解している
場合も多く、穴補充のテトリスで問題ない。
そもそも、引継ぎは無いし、誰かに教わりながらの流れとなる。

確率にもよるが、
ベテラン(ある意味要ベテランポジション)→初心者の引継ぎが実現。。。

④悪魔の手
本日、○○さんはまだ出社されていません。
おかしいぞ? 交通事故で危篤とのこと・・・
後任は誰がやる?
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代わりが居なければ、ある意味③でもある。以下省略。


いずれも、業務継続は困難そうだ。
では、なぜこのような局面に至ったのだろう。

厳しい引継ぎの回避策

母体記事にて一般的な対策として下記を挙げ、一部は本稿の対象外とした。
・教育、OJT期間を設けて前任者から後任者へのスライドにコスト・対価を設ける。
・引継ぎに上司や有識者を交え、引継ぎの正当性や量、方式などを確保する。
・日頃からプロセスの管理を行う。引継ぎが必要になってからでなく。。

そして、単なる後任者の怠慢を除き、これが実現しないケースを前項で挙げた。
次項で、ケースに至った理由を考えていきたい。

ケースに至る理由

なぜ、前述のようなケースが発生してしまうのか。
何故の深堀を行うだけですが、次のように考えてみました。

①組織買収→元社員の退職
好きにやれ、金は出す、で去っていく人は居ないと考える。
あとは、少々の傾聴と、ねぎらい(金以外の報酬)だ。

ハード(金)・ソフト(文化・プロセス)の両面からの適切な評価が不可欠だ。

買収しても、中身が全く理解されない、不幸な統合。
機械的に、もしくは敵対的に買収を行った結果の痛み、負の財産。
主義志向が組織拡大。組織コレクションが趣味とか。

②攻防戦
コスト=評価とみれば①と同じことかもしれません。
これもある意味、中身・実とコストが見合わない結果。

ある意味、とは寡占や独占にて実コストとは異なる金額に
至る場合などは考えられますね。
資本主義が生み出す、負の局面。

③無茶ぶり転売テトリス
中身・実とコストが見合わず、契約解除に至るのが②でした。
それでも契約を結ぶケースや、契約時に意図的に中身・実が
隠蔽されている場合が③。

契約数・稼働率や、組織編制の人数で縛られた結果、
とりあえず、契約の成立が先行してしまい、中身・実とコストが
見合わない契約(引継ぎ)が成立してしまう。

そして、コストとは手取りを超えて、異常な残業などに至ることもある。
残業代が出ていれば、どれだけ働いてもOKなのかという。。

これら売り手・買い手の立場も、市場動向や景気に左右され
寡占・独占ではないが、実コストと異なる流れを生む一因となる。

④悪魔の手
代行可能な人は居ないの?なぜ?


どうやら、中身・実とコストのアンマッチが大きく関わるようです。
強い立場のものが強く出て、弱いものが受けざるを得ない。

受けるとき=厳しい引継ぎ という構図でしょうか。

では、高コストにつき引継ぎは非効率・無駄・行わないが成立するかというと・・・
それは違かろう。
また、強い立場のものにとっても、弱い立場の者の安定稼働は
高効率なはずで、「意味なく」引継ぎを望む者は居ない。

①~④の考察をまとめ、昇華を試みます。

短期的な成果主義の代償

ここからは、少々勝手な意訳が多くなると思う。

言葉の定義上、プロセスは成果に結びついているはずだが、
前述に挙げたケース①~④に至った結果、
繋ぐ人が途絶え、結びついていない。

結びつかない、つかなくなる流れとしては次だろう。

 A)破綻(以前は結びついていた。遅発性という考え方もしっくりくる)
 B)不適切(プロセスとは呼べない)(そもそも結びついていない)
 C)未開通・開発中(結びつけているところ)(そもそも結びついていない)

C)を除き、いずれも短期的なコスト・成果を目指した結果と思う。

プロセスの充実が阻害され、アクション(ハード)が
先行したままの状態が引き金となっている。

例えば、
①の例であれば、買収後にしっかり根付くまで努力したのか、
②の例であれば、お勉強して耐えるのが正解だったのか、
④の例であれば、代行可能かや、代行を準備すべきポジション(プロセス)との認識があったか

管理者のプロセスへの働きかけが欠如した結果だろう。
③も管理マネジメントの欠如に他ならないが、あえて放棄しているとも言える。
生き続けているから、プロセスが正当成立しているように見えてしまうので厄介だ。

欠如した理由は、究極としては、単なる怠慢と言わざるを得ない。

管理マネジメントの欠如と表現するだけは容易いが、
これで追及が終わっては、物足りない。

ここで、本稿では「短期的な成果主義の代償」であると
主張していく流れをとる。


①~④いずれも、良く言えば「C)未開通・開発中」ということになろう。
努力してます、頑張ってます、ってね。

だが、期を逃しているため言い訳だ。
悪く言えば、
プロセスが血液となり栄養を運び結果に結びつくまえに壊死しており、
計画的な進行とは言い難い。

で、計画的に進行できなくなる要因として、
当稿では短期的な成果主義を挙げたい。


概ね、企業の活動は期を中心に回され、四半、半などで細分して管理する。
これを、棚卸の契機として進捗なりを管理することは有効と思う。

しかしながら、ここで結果を求める組織が多いように思う。

ビジネスにつき、形式的なアウトプットが必要などと言い寄られる。
形式的ということは、ハード・結果であり、
母体記事からの表現では「定量的」なもの。

母体記事から申しているが、評価において定量は欠かせないため
結果を求めるようになる。
定量できなければ、測れない、評価できないと。

これが例えば、時期尚早にて大きく実を結ぶ前の
新芽の状態で収穫することに繋がる。
切り上げたり、急がせるなどして、結果の先行、帳尻合わせに繋がる。

ではその後、ソフト・プロセスの追いつきが行われるかというと
結果から言って欠落・不完全になっている。
別な表現では、①②④を中心に「期を逃している」と前述した。

プロセスよりも結果が先行する、という表現は興味深い。
つまりは、結果が出ているようで、出ていないのだ。

それは本来のゴールではない。

成果、成果物と結果は違う。
単純だが「家に帰るまでが遠足」が出来ていない。

①~④いずれも、途中までは結果=コストが出ていた。
(結果からの)見た目上は、健全に見えてしまう。
その後、不良物件のように壊れていき、崩れてから気づく。。。

従って、結果=コストが先行する傾向は
プロセスの形成や安定、検証を少なくとも後手に回し
場合によっては破綻までに間に合わなくなる。
加えて表面化が遅く、この遅発性がさらに厳しい引継ぎを生む。

ゴールの見極めが出来ていないのだろうか。
これについては、母体記事で既に述べた「ゴールの定義」に戻ることとなる。
定量的でないものについてはゴールの定義が困難で、
後任者が可能な限り能動的に引き出す必要があるとした。
そして、無知なら仕方無いと。失敗し、そこから学ぶまでとしており
議論としてこれ以上は無い。

ただ、母体記事では後任者目線で述べたものだが、ここでは
管理者に当てはまろう。そして、管理者が理解できないものを
部下である後任者に丸投げするから、尚更ひどいことになる。

で、無知とは言わせられない、悪気あってボロを隠すケース(③)もある。

では、ほかにゴールまでの進行を阻害する要因は無いか考えたい。

ゴールとしての本質

ここで、短期的・中長期的とは何か整理したい。

例えば、ホースを火事場まで伸ばすも、ホースが壊れていて水が出ず、
バケツリレーを必至で行っている状況。

今回は鎮火したけど、次回の火災はどうなるだろう・・・
バケツの購入は暫定的であり、短期的であろう。
ホースの修理や交換は恒久的であり、中長期的と言えよう。

じゃあ、ホースを沢山買ってやるぞ!とコストをかける。
だがここで、これが本当に中長期的な恒久対応なのか
根本や本質を見通して判断しない。

ホース1本につき、2人の消防士が支えないと正しい方向に放水
できなかったりする。結果的にホースの数だけ人件費が増す。
日々の訓練も必要だろう。増員が答えかもしれない。

・・・と分かったつもりになるが、
実際の我々の現場では、同じことが起き、結果的に
バケツを担いで走っていないか??

本当に信頼のおけるプロセスはどれだけあるだろうか?
または、一周回ってバケツを担ぐことがそもそも本線と思っていないか?

バケツ式なら、それはそれでバケツリレーに必要な
練兵とバケツの購入をし、これに見合った評価を行えばよい。
貯水槽が整った先進国ではない地域かもしれない。。

だが現実は、練兵や購入がホースのつもりで行われ、
実践では、さらに脚力が必要なバケツで消化を行う破滅になり、
報酬・評価はホースとしてのものでした。めでたしめでたし・・(泣

いや、さらには消火能力が十分と判断され、さらに
担当範囲を拡大されたりもする。
バケツで繋いでいる状況が全く見えていない。。。
次期の目標は、今期の120%でヨロシクと。

ホースとしての報酬では見合わないと、作業者は辞めていく。
増員しないと間に合わないし、欠員で回ってしまっては
人件費を出してもらえなくなるかもしれない。

ということで、採用活動を行う。
「消防士募集!!」

募集者=後任者は、ホースが扱えることとして募集が行われたり
まさかバケツが待っているとは思わずに進んだりする。。。

会社や組織が潰れてしまっては元も子も無い、とは言われたもの。
従って、多少の暫定的な短期的アクションが全く許されるべきでない
というのは理想論過ぎるであろう。

例えば、前例のとおりホースが壊れるかもしれない。
  貯水槽が壊れるかもしれない。

では、何で点検しないの? となったところで
「点検」というプロセスの構築にたどり着く。
ここで、悪気の無い無知であれば、議論は終了。

後任者目線での「ゴールの定義」と異なる点は、
ゴールが変わったり、至上に向けて終わりが無いことだ。
カイゼンなどに見られるように、これらの概念に
終わり無きことはよく知られている。
状況変化にもよるし、変化にも耐えうるプロセスの構築など
追いつ、追われつ、、

引継ぎ、ゴールまでの進行を阻害する要因 に話を戻すと、
想定やカバーしきれない(かつ悪意のない無知) 状況への遭遇
において暫定対処・短期的対処は発生し
このとき、厳しい引継ぎが発生し得る ということになる。

歴史的にみると、未曾有の大震災や新型ウィルスにおいて
明らかに想定外ともいえる事象に遭遇してきた。

このとき、多くの医療従事者や公務員らが「厳しい引継ぎ」に直面し
他部署や未経験であろうと駆り出された例が存在する。

原発問題はじめ、暫定対処を余技なくされた部分が垣間見え
そして社会から叩かれた。


最後に、短期的な活動はNGなのかを考えたい。
確かに備え十分であるのが最良だが、ダタじゃないでしょ、とか
大人の事情が存在することは、容易に想定できる。

短期的な活動のメリット

期分けによる活動の話に戻りたい。

良く言えば、進捗管理である。
管理コストを除けば、細かく確認することは無駄ではない。

悪く言えば、全く見てないわけではないですよ、と
このアクション(プロセスへの配慮)を形で、定量的に行っているのだ。

当稿の前提である、性悪説に従うと
管理者からみて、被管理者は、管理しなければ堕落するため
プロセスを一方的にメンバに割り当てるだけでは自立しなくなる。

自立しない、とは言われたことしかしなくなる、ということだ。
繰り返しになるが、アルバイトなどのルーチンワークでは
自立不要につき問題ない。

ではなぜ自立しない? というところで、母体記事での誕生日の話に戻る。
言われなくても誕生日情報を集めていたという・・・
(個人的には自立的に行動している)

これは、評価されないから引継ぎされない、ということでした。
組織と一緒に(共通認識として)プロセスを構築できないのだ。

つまり、組織と担当者が二人三脚で以て、その一歩一歩が
歩幅を合わせる意味で意図して短期的であれば問題ない。


あとは、先に条件から除いた「管理コスト」である。
全てに対応し得る備えも、維持費はじめ管理コストを要する。
どこまで必要か、、の見極めは容易でない。

非常袋、非常食の備えや、老後2000万円問題などを出せば
もう耳が痛くなるであろう(笑
どれだけ備える??

小まとめ

つまるところ、組織・管理者がプロセスを理解できないのだ。
構築も運用もできない。
結果はイメージできているのだろうが、実のところはできていない。
ケーキ屋さんに憧れる幼稚園児と一緒。
色とりどりのケーキが並んでいるお店のイメージが出来れば
ケーキ屋さんの運営が分かっている気になっている。

プロセスの不備があったとしても、直ちに被害が出ない場合もあり
これが油断や盲目を誘い、さらなる危険を生む、とした。

そこで、経過観察のためにも、人類の活動単位である暦に従って
キリの良いタイミングで評価を行う。例として半期、四半期を挙げた。

ここで、評価には定量が求められるため、結果が先行しがちとなり
プロセスへの配慮や検証が終わらぬ前に結果のみが求められることで
プロセスに対する配慮やコストが後手なり回されにくくなる、とした。

これを、当稿では時期尚早なる短期的な活動として警戒した。
短期=暫定、中長期=恒久として、後者を「通常」ではあるべき姿とした。

で、短期的な活動は止められないのかというと、デメリットばかりではなく
形としては自立的な活動に対する定期進捗管理という位置づけと、
「異常」として備え無き未曾有の想定外事象への対応は管理コスト面踏まえ
暫定・短期的にならざるを得ないとした。

結論として、
自立的な活動に対する定期進捗管理 に翻弄される形で起こる
管理者のプロセスに対するマネジメント不良・怠慢が
厳しい引継ぎを発生させる。


性悪説前提で進めると、被管理者だけではなく管理者も怠慢との前提となろう。
この条件で見える、後任者の明るい道を最後に考えたい。

後任者の明るい道

何を以て良し悪しを判定するか、
後任者がそもそも悪い環境へ参入しない、
悪条件の引継ぎを拒否・警戒する
といったブラック対策の可能性を模索して終わります。

プロセスの理解

自分の仕事がアルバイトなどのルーチンワークでなければ、
プロセスを理解していることが望ましかろう。

ここでいうプロセスとは、引き継ぐプロセスのみでなく、
管理者目線で見える管理対象のプロセスだ。
自分も1つの系や歯車として、全体がどのようなプロセスで動かされ、自分が
はめ込まれるプロセスは何故必要なのか
理解できるように努力を重ねるしかない。

そうすれば、なぜ動力が1個なの?とか
隣の歯車の歯数が足りない、、からこっちも回らない。
私がサボっているわけではない、など分かるようになる。

管理者をあてにしてはNGとの性悪説前提なので、
自らで把握して動けるようになるしかない。
把握できる器量になれば、知らずに「厳しい引継ぎ」に至ることは無いし
ムリゲーだわ、と悟って退陣の決断ができるようになろう。

評価の確認

組織から評価されたいと思えば、管理者に理解される必要がある。
アピールも1つだが、そもそも管理者に分かってもらえるのか
確認したほうがよい。

別な表現では、私がこれから携わる仕事がどういうものか
分かってる? ということ。

後任者が無知であれば厳しい、とは繰り返し述べてきたが
じゃあ、管理者はどうなの? と出来るべきである。

・・・そうすると、前項の「プロセスの理解」が前提となる。

結局、昇進が早いのは管理者の元所属部署だったりしないか?
花形部署のようなものはどの組織にもあろう。

ゴールの確認

プロセスが適切でない可能性がある。
プロセスの実施そのものが目的ではないしゴールではない。

バケツリレーがゴールではなく、ホース化がゴールかもしれないし
速やかな消火活動がゴールかもしれない。

すると、バケツに耐えうる足腰の強化よりも
ホースの学習こそが適切なアプローチかもしれない。

バケツ屋として異動なり引継ぎを受けたかもしれないが、
これを鵜呑みにしてはいけない。

性悪説ということもあり、これを本来・本意と思ってはいけない点は
前述のプロセスと同じ。

正しいプロセスが描けてこそ、正しいゴールが見えていることになる。

この視座に立つには、全体が(管理者目線で)見える必要がある。
・・・そうすると、前項の「プロセスの理解」が前提となる。

おわりに

性悪説に立つと、資本主義である現状、
弱きは強きに利用される結果、不利なポジションに流され
そこで厳しい引継ぎに遭遇する者が出てくる。

強弱とは、いくつもの要素を含むが
まず、努力が可能なものが「プロセスの理解」である。

ここで、理解の「範囲」の拡大に努め、自担当プロセスのみでなく
組織・環境へと広げることによって
少なくとも状況の認識が出来るようになる。
心構えが出来るだけ、出来ないよりも過ごしやすいものになる。

単純にいえば、「勉強しろ」とだけ聞こえるかもしれないが
強弱の要素は、賢さだけではない。

先の例で挙げたような、①敵対的買収などの資本で
淘汰されてしまう可能性もあろう。


ただ、本稿で言いたいのは、それが無意味というわけではなく
繰り返しになるが

心構えが出来るだけ、出来ないよりも過ごしやすいものになる。

ということだ。

この、大きな流れが見えない状況に至り
やり場のない境地に追い込まれた人は、その後どうなるのか。。

見える、見えないの違いは非常に大きいのではないだろうか。

私の体験談

私の引継ぎを振り返ったものです。
もしよろしければ、苦闘の日々をお読みください。
sak-blog.hatenablog.com

【引継ぎ】私の体験談

はじめに

当記事は、私の引継ぎの体験談です。
具体的な実体験エピソードを記しております。

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下記が母体記事で、持論となっております。

途中、母体記事を前提とした表現がございます。

sak-blog.hatenablog.com

sak-blog.hatenablog.com


もくじ

母体記事抜粋

一部良く出てくる内容を抜粋で記載しておきます。

厳しい引継ぎの発生ケース

①組織の敵対的買収などを背景に発生した
 ノウハウを持つ組織や社員が、母体に溶け込む前に
 退職するなどし、元社員が丸腰で後任を行う場合

②請負や委任などで任せっきりの状態から契約解消され
 親会社や別会社が丸腰で後任を行う場合

③組織人数の維持や契約数、稼働率といった目先の利益が
 追求された結果、職務と人員のミスマッチが意図して
 無視された場合

私の体験談

それでは、時系列に体験談を展開してまいります。
小見出しで話に一区切りつけながら、反省を織り交ぜております。

後任探しと契約

S社の下請けにて従事していたM社が、経営上の理由で撤退不可避となった。
S社が後任を探したところ、弊社を見つけた。

弊社は仕事欲しさに先行してOKの返事だけ出し契約合意に至っていた。
下請けという契約関係はM社同様、弊社も変わらない形に。

--★反省★--
はじめに、S社とM社の関係について、
S社はM社に任せっきりで、別な角度で見るとM社に握られている部分もありました。
M社の経営上の都合とはいえ私的都合であり、プッツン取引終了にて②の形に。

従って、これの後任になってはマズいわけで
「S社とM社の関係が②のような状態」かどうかを診ておく必要があります。

ここで、弊社は何も考えずに契約を成立。
さすがに、弊社側での責任担保な「請負」契約ではありませんが、
悪く言えば「曖昧」な形の「準委任」契約としていました。

弊社管理者=(S社との)契約実行者 の目線では、
弊社管理者自身が後任を務めるわけではないため③の状況に近いか。

会社は損せず、後任の従業員の人生を削ってしまおう・・・
のはじまりにも見えるが、この段階では未だ無知の状態のため、
(「S社とM社の関係が②のような状態」かどうか診ていない)
②と知っての故意な行動とは断定できません。

無論、悪気の無い前方不注意による交通事故が無罪になるべきと
申すものでもありませんが。
(知りませんでした~ で済むのは小学校までですね)

さあ、その後どうなるか。およそ想像できますね。

後任者の選定

ある日、管理者が私を呼びました。
私は、当時、職務のキリがつくタイミングにあり、次の仕事探しが必要な
従業員のうちの1人でした。 プロジェクトの終了間際でした。
仕事と従業員のお見合いテトリスが可能なピースのなかで
M社後任に最も近しい人材と想定されたのが私だったのです。

S社の主担当決めということで、管理者より呼び出しの理由・目的について
説明があり、その後、業務内容の概要説明がありました。

管理者はS社での業務に直接従事せず、主担当以下メンバに対し
間接的なマネジメントを以て参画するとのこと。

違和感が無かったため私はOKしましたが、
複数名が集められたわけではなく(管理者と私の2名だけ)、また
S社を含む複数の選択肢から選ぶ形でもありませんでしたが。。

--★反省★--
私の判断も軽率だったのかもしれません。
会社や管理者がおよそ下見しているであろう、とか
(繰り返しですが、「S社とM社の関係が②のような状態」かどうかをね)

S社の企業ブランド、S社とM社との取引期間などを聞いて
深く疑うことをしませんでした。
それは、管理者も同じだったのではないかと思います。

管理者ですら無知なのに、この人の話を聞かされては
又聞き側の私としてはなおさら回避困難でした。
・・・伝言ゲームが進むほど、話はマルくなりますよね。

やはり、部下である私が管理者の目線でプロセスを把握しようと
すべきでした。

ただ、M社経営都合で以て撤退日は決まっており
理屈はともかく、もうやるしかない、、と。
(私がインターンシップ学生かのように、S社のプロセスをじっくり見ながら
参画是非を決めるような余地は無い)

最後は、まあどうなるか分からないが頑張ってみないか、と
精神論ややる気の世界に持っていかれると、当時入社して2年経たない
私がNGを出す余地はもうありませんでしたし、
根ほり葉ほり管理者に向かって質問攻めは出来ませんでした。

こいつは楽することしか考えていない、と社内評判が立っては
たまらないですからね。 返事は「ハイ」のみとは言ったもの・・・
立場負けしていました。

弊社が会社組織として出来ることは、契約形態を準委任にすることのみ。


次にやることはと・・・

引継ぎゴールの定義

言わずとも、まずはゴールの定義から~

引継ぎ全量の定量測定のため
管理者とともに成果物や管理媒体の把握を試みました。

契約や体制上、引継ぎの流れの本来はS社→弊社となるが、
S社はこれまでM社に任せっきりであり全くの無知であったため
M社→弊社でやるようS社から要望が出た。

え?

ええ? 全然準委任じゃ無くね? 話が違う・・・
つーか、準委任に引継ぎなんてものは、そもそも・・・不要なはずなんだけどね。
レクチャーは必要だけど、それは引継ぎじゃないから。。

この時点で、最悪のシナリオを想定すれば、悲惨な未来が見えることは。
言うまでもない。
M社が、素直に弊社に引継ぎを敢行するのか? 器の大きい善人たちなのか?


そこで、弊社はS社ではなくM社との会議へとセッティングをし直し、
同様の相談と決定を試みました。

すると、、、
弊社「マニュアルやフロー、定義書仕様書などは・・・」
M社「そのようなものはございません」

弊社「〇〇はどのように管理しているのですか?」
M社「御社の考える基準で管理すればよろしいかと」

は?

弊社「普段どのように進めているのですか?」
M社「適宜うまくやり、S社より否認されたことなど一度もありません」

この会議で、M社業務の定量化が不可能と判断した弊社管理者は
会議の内容をS社に報告するとともに
弊社側で(準)委任業務の基準を新規に取り決め、引継ぎゴールの定義とすることを
S社と合意しました。

私「では、弊社の定義やサービスカタログを使って要件・ゴールを決め・・・」
管理者「うちにはそういうの無いから。作っといて!」

は?

その後、業務継続に必要と思われる定義を、自分の経験を基準に
大急ぎで作成した私。再度管理者とともにM社・S社と協議し、
無いものは業務の傍らで作成していき、
無いものに関しては即時対応など不可能なものとして合意し
一旦の引継ぎ完了、M社撤退日を迎えたのでした。

--★反省★--
S社が引継ぎに絡まない。。。堂々、成果物が無い。
この時点で私は②を悟ったのでした。

定量でなければ評価できませんので、無知に至って当然ですが、
冒頭に記載のとおり、管理者はきちんと診て契約合意したわけでは
ありませんので、無知のさらに無知であったわけです。

フタを開けてみて、管理者自身や弊社に無いものが求められる形が
浮彫りに。
言うまでもなく、私が持っているかということも、確認できているわけがない。
後任者選定の時にね。

そのときさらに・・・
管理者「じゃぁ、作って」

と後任者へのしわ寄せが増えていくわけです。
私が作れない人間だったら、どうなっていたのだろう・・・

無論、無いものは、そっくりそのままサービスレベルを低下させずに
M社にとって代わることは出来ない形でS社と合意形成しましたが、、

・・・契約上はね。
こう見ると、困難にぶつかっても、責任はこちらに無いから
ひたむきに頑張れば、それを乗り越えるたびに勉強になるじゃん、とか
得ばかりに映るんですよね。一旦は。。

ふんずりかえって構えるM社。当事者意識の無いS社。

私は、後任者として少しでも引き継ぐ権利のある情報を入手する
アクションに出る形となり、可能な限り
「業務継続に必要な定義を大急ぎで作成」
を行うに至ったわけです。

さあ、M社撤退後・・・どうなる?

容赦ない現場への要望

問題をいきなり丸投げされたのをはっきりと覚えています・・・

S社「これお願いしまーす」

M社撤退後、早々に飛んでくるボール。
私:これ、引継ぎ事項に無いっしょ。

S社管理者に相談する私。すると・・・

S社管理者「御社(弊社)基準で解決できないのですか?」

は?

何を以て解決とするのか、S社が決めるところでしょう。
あなたたちの業務でしょう。これじゃ丸投げじゃないか。
下請けがアクション可能となるまで問題を消化しなければ
動きようが無いじゃない。。準委任だしね。

だから相談しに来たということすら分かっていない、この人たち・・・
M社は通常S社が行うべきところにまで浸食していたのか。。
コンプライアンスなんで言葉はここには無い。
S社社員に責任という言葉は無い。。

一旦、良いと思われる方法にて解決したのでした。。。
何を以て解決なのか・・・

--★反省★--
例えば、コックとして雇われても、
何を作る? 何が食べたい? はご主人様に決めてもらう必要がある。

「弊社基準で良いものを作れ」としか返事しない。
良いって何?

歩み寄りたくでも、できない。ヒントになっていない。
カレーなのかラーメンなのか、
それすら決まらない状況と分かっていない。。。

例えば、寒いなぁ。。。などの一言でもあれば、
じゃぁ、ラーメンですかね、とかできる。

ラーメンと決まれば、味噌?醤油?豚骨?
など、提案の余地が出てくるが、何もなければ
和洋折衷の選択肢から始めるのか・・・

で、たまに、なぜラーメンなの?とか言ってくる。
毎日のレシピを考える主婦の気持ちも分かる・・・

・・・これが②。

では、②と悟ったところで、、どうしたか?

築城~地盤の再形成

俺が城を造る!

引継ぎ時の残務として、必要だが無いものを次々に形成した。
無論、S社での業務が見えていなかったため、本当に必要なものが
分からなかったが、一緒に仕事をするなかで少しずつ見えてきた。

形にできるものは文書化したし、
形にできないものや類の無い問題にぶつかったときの
対応フローも形成した。

形成することで見える化が進んだ。
逆にいうと、S社は必要なものや完成形のイメージができないでいた。

S社も認識が深まり、フローに則って動くようになってきた。
秩序が生まれ、組織として血が巡りはじめた。

ただ、現状の足場が固まる前に新しいことに手を出し
「これもできるようになってね」
と丸投げされることは引き続きあった。

無論、理解して導入しているわけではない。
単に時代の流行などがきっかけとなっている。
自動化だの、AIだの、単語だけが独走する世界、ありますよね。

足場を固めても、新しい概念が導入される。
(だってお前ら、築城できないじゃん。作れないし守れないし)
そして、人は増員されない・・・
いたちごっこに見えたときもあったが、必至で差を縮めた。

だが、どんな問題が起きても守り切れる
高い城壁や砲台に守られたお城が、少しずつ出来てきた。

--★反省★--
新しいもの好きのS社経営者が、とにかく方針だけを言い放ち、
形だけでも実施せざるを得ないという、荒い経営方針の持ち主でした。

これはまさに①のようなもの。
現状も扱いきれていないのに、さらに新しい風を入れる。。

とにかく多忙な毎日でした。
そして、アクションを先行せざるを得ないので
復習や反省・改善の時間が無い。形にする時間もない。

同じミスや進歩のないことを繰り返しているような・・・
悪循環。

築城とはまさに仕組みづくり。プロセスの設計ですね。

とにかく走り続けたところで・・・ 光は見えてくる?

容赦ない弊社管理者

S社の業務は、問題が24時間365日発生し得るものであった。
そのため、高い城壁や堅牢なお城は、お客様のみならず
自らの安心・安眠をも守るものであった。

基本的にはS社に常駐し、有事はタクシーで直行もあったし
夜間対応もしばしば。就寝して30分後くらいに電話がかかってくる
のが一番つらい。

ちょっとしたきっかけで、弊社管理者のさらに上にあたる部長クラスと
会話する機会に遭遇した。

私「結構電話が来て、体に応えるんすよね~。でも皆勤ですよ」
部長「え? 夜間対応やってるの?」

え?

その後、通常残業として付けていた勤務時間をリアル時間で付けるよう
修正されたり、対応の翌日は半休などの福利厚生が付いた。
部としてこのような勤務経験がそもそも無かったため
会社として新しい方針がこれを機に制定されるほどであった。

管理者よりS社現場の業態を全く聞いていなかったという。。


管理者は週1回S社に巡回し、弊社管理および営業活動を行っていた。

参画より1年が過ぎた頃、
管理者「ちょっとこの書類にサインと押印してくれる?」

なんか、業務締結の書類のようだが・・ 今更なんだこれ?
即提出するとのことで、管理者の目の前で早々にしあげた。

後ほど、S社よりこれの説明があり、
24時間、自宅でも問題対応が可能となるよう、リモート操作を行うための
承諾内容であった。

は?

--★反省★--
管理者は無知であったようだ。
私の業態、S社の業態について、結局は引継ぎ後は私に任せっきりで
自らは理解していなかった。

そして、弊社のコンプライアンスなり経営方針も理解しておらず
勝手に弊社方針を超えた契約を行ってしまった。
これは、後に部長が私の前で認めた。
管理者の過失であり、これの管理者にあたる部長自身の責任でもあると。

無知とは怖いもの。
再三、城壁が未だ甘いにもかかわらずS社が新しい仕事を
任せてきて、ヤバいです、と相談しているのに、、(無知とは言わせない・・)

・・・私が自宅でも問題対応できるよう契約の拡張をしたのだ。
しかも、私に断りなく無断で書類を書かせた。

S社も好きもの趣向で①なら、
弊社もそれに応えるように、社内で前例の無い職務形態を勝手に作って①。
現場を考えないで、双方①でハッピーなんてところはモロに③だ。

さあ、私、潰れる!?

鉄人

私のS社への参画の後、数名の社員もS社へやってきた。

だが、耐久できるはずもなく皆消えていった。
結局のところ、リーマンショック時のように人余りの時代では
なかったため、中途採用の採れたてが流れてくる形となった。

採れたて一発目でS社の現場を見せられては、皆これが弊社標準だと思うのか
会社ごと辞めてしまう。もはや中途キラーの現場となっていた。

ついには補充しきれなくなって、BP様だけで回す業務が出始めるほど。
極めつけには、弊社社員は私だけになった。
BP10名強に社員は私1人。

管理者不在はマズいので、どうやったって休めない。
夜勤をしようが、自宅で夜間緊急対応をしようが、翌日は定時出勤した。

朝、
S社社員「え? なんで私さん居るの? 休んでください~」

いつしか、裏で「鉄人」と呼ばれるようになっていたことを、又聞きで知った。

--★反省★--
採っては最前線に置き、そして消えていく。
ゲームの中でも、ぶつかりの激しい将棋のようだ。

管理者からみて、現場や人間は将棋にしか見えないのだろうか。
もはやテトリスですらない。将棋。
入手した駒を、何でもいいから貼るしかない。

②③の極み。

酷いのは、対弊社のみではない。他社も同様。 よって、
会社ごと撤退するような動きもよくあったし、必ずうつ病が出る。
いきなり出勤停止になる。女性は決まって即消えた。

ここに女性を出したらダメっしょ。
現場が見えていないのは弊社だけじゃないのかな。。

性差別を目的とした表現ではない。
S社の中で私が従事していたチームと関連性の深かった別チームがあった。
別チームのS社社員が女性であったが、私と同じく鉄人に近かったし
(皆勤ではなかったが、それに近い)、ノーメイクでも這って出てきた。

お世話になり、尊敬していた。

だが、女性がお化粧もできずに働くってのは、すごいが
その方がすごいというよりかは、そのような環境が酷い
と言うべきではないのか。。

とにかく築城を急ぎ、前だけを向いて前進きた私が
少しずつ回りも見えたり、映るようになってきたところで・・・

疑問

463!
野球用語だが、びしっとダブルプレーが決まるような鉄壁な守備の連携。

進んだ築城により、私の業務もS社社員を交えての463が決まるようになっていた。
無論、24時間365日の業務のなかで、土曜日の昼下がりだろうと、深夜だろうと
変わらずビシビシ決めた。

とある日、
母親が手術を受けることになった。
だが、業務の傍ら手術への付き添いができなかった。

弊社社員が私1人であり、日中そして夜間も24時間365日対応ができる者が
そもそも私しか居なかった。

これが、素晴らしき人間の姿なのだろうか。
親の手術への立ち会いも知人に任せて企業に貢献する、
これが人の鏡や手本なのか・・・

化粧もしないで業務に徹するのが・・・

ぽっかりと心に穴があいた。


そういえば、24365対応で手当ては出ないものの、
昇進に大きくポイントとなるようにしとくから、、
なんて言われてたっけ。
手取りも昇進も何も無いやんけ。。
社員一人とて寄越せないじゃないか。

家族や生活を削り、知人やご近所まで巻き込んで
24365サービスをこれからも1人で守り、継続することが
本当の人生のあるべき姿なのか??

そろそろ3年が経とうとしていた頃、
24365サービスでない他社員が2年も経たずに配置換えされているのを見て
将棋の駒、臭い物への蓋 役を、そろそろ降ろしてもらおうと決めた。

--★反省★--
価値観の話が出てしまいました。
引継ぎとは関係ありませんが、時系列として。

これで、後任者から前任者へと変わります。
会社も私の実績からみて、さすがに異動NGは出せず。

期間の長さに加え、BP10名というキャパの大きさと、
そして言うまでもなく利益率。
この成績を、平然とダメージ無く出し続けられるわけがないことは
さすがに分からないとは言えない。

だが、分かってもらえないのは確かでした。
それは、私が初実績であり、相対評価ができないから。

その前に、多くの社員が辞めているのですが、
会社ごと辞めるから、情報を残さない・・・

そろそろ、玉のまわりの、お気に入りの、かわいい駒を
S社にぶつけてもらいましょうか。。

将棋の局面はいかに・・・

バカ殿参上

私の後任者が決まったとのこと。
管理者「先月入社の・・・」
管理者「S社とは合意済み・・・」

ほう、まだ将棋をやるかね。
それも、玉の周りの駒ではなくて、やっぱり貼るのね。
そりゃ、さぞ飛車か角なんでしょうなぁ。
いい駒が手にはいったのかなぁ

手前味噌、自画自賛したわけではない。
何人も辞めていった実績からいえば、辞めてしまう可能性
のほうが高いと読むのが通常だろう。
さらに一極集中した私の代えが、
その方で可能と判断される根拠が無かったからだ。
やっぱり頭の中は将棋でしょ、って。

翌月、後任者が現場に来ました。

ほほう、、(笑
見せてもらおうか、後任者の性能とやらを。
技術というより、こんなポジションに就く人となりや
反応が気になっていた。

はじめに、S社への挨拶まわりのため、後任者をS社社員卓へ案内する私。

私「管理者より挨拶まわりしろ、って言われて来ましたよね。各席案内します。」
バカ殿「ええ、まあ」
私「念のため、管理者より、どんなポジションか聞いてますよね?」
バカ殿「まあ、一応」

その後、S社社員の各卓へ伺い
私「ご挨拶に伺いました。本日よりお世話になります、バカ殿です」
バカ殿「よろしくお願いします。」

??
えっ? ・・・やはり分かっていない。

S社社員「以上? それだけ?」
私「私の後任としての配属になりますので、よろしくお願いいたします。」

遅れながら、後任者をバカ殿と記載しております。
挨拶ひとつで、管理者より何も聞いていないことが分かった瞬間でした。

--★反省★--
社内での引継ぎはしっかり行い、バカ殿を天守閣までご案内するつもりでした。
築いた城にそのまま入城してもらったうえで、城も城下町も煮るなり焼くなり
好きにされて結構と。

M社の二の前じゃ、私も結局ダメな人間になってしまうでしょ。

天守閣からどのように私の続きを行うのか、興味深くて仕方なかった。
そして、管理者による将棋の続きも。

ゆえに、小細工なしで渡してみたかった。
それこそ、自画自賛で終わっては私の成長も無いのだ。
客観性が欲しかった。

同じく鉄人とあらば、むしろ友。人生で出会うべき逸材かもしれない。
私にとって交代、異動に不都合は何も見えなかった。

たとえ、後任者が雑魚であったとしても、私の逃げ切りは確定済。
管理者が私のポジションを見えていないため
共通認識でなく、引継ぎ対象となり得ない。

逃げ切られた後で疑問に思うことだろう。
どうやってこのサービスレベルを実現している?? ってね?

天守閣から、城壁、櫓、砲台などが見えるか?
そして、どの方角に山や川があり、どこが弱点なのか、、
これらの設計引継ぎを要求できる人材か?

ここで、「よろしくお願いします」だけの挨拶じゃ
単なる砲台担当か門番か・・・

バカ殿を責めているのではない。
やっぱり管理者から説明が無かったに等しいのね。。
必要なのは城主。
で、その監視者は私に丸投げしたのよ。
だから、説明できるわけもないんだけど、ちょっとは勉強したのかなって
軽く期待しゃった。。

とりあえず、バカ殿を天守閣に案内したあとで、
城を操縦するための引継ぎを前任者から引き出すアクションができるのか、
力試しとして放置することとしました。

社内引継ぎ開始

管理者より、私の業務引継ぎについて定義がありました。

管理者「S社へは私さんの引継ぎ、交代について説明、合意済」
管理者「交代は、私さん→バカ殿さんへの引継ぎを以て実現する」
管理者「引継ぎは後任であるバカ殿さんの主体管理のもと実施する」
管理者「バカ殿の24時間365日対応は私さんらと同じく一か月後とする」
管理者「私さん、資料があればバカ殿さんへ渡されたい」

私「資料できています。どうぞ」
管理者「私さん、ありがとう。 バカ殿さん、私さんがまとめてくれているので
  とりあえず最低全て一読されたい」

その後、管理者より引継ぎ進捗管理WBSの作成を求められたバカ殿。

毎週の管理者巡回にあわせて3者で状況確認の進捗会を実施して管理することに。
しかしながら、何週間経ってもWBSは完成せず。

無論、私は資料の投げっぱなしで終わったわけではない。
何より私の肩の荷下ろしをして、早く楽になりたい。。

環境説明から具体的な実務まで、既に渡した資料に沿う形で
やってみせ、言って聞かせてのOJTも行っていました。
(全部資料化していたので、資料に沿う形となるのだった)

だが、WBSの完成無しでは、私の行動も計画的に実施できないし
管理や報告・表現もできない。
私も何も行っていないように映ってしまいかねないこともあり
日々の行動を管理者へ報告した。

私「WBSが引き続き完成していませんが、バカ殿さん、毎日定時帰宅ですよ。
 ようやく2人体制で私の荷も降りると思われたところ、
 私の稼働は引継ぎ分がありむしろ増加しています。
 バカ殿さんは、引継ける気はあるのでしょうか。
 人を投じても一向に私の稼働時間が不変なのはおかしいかと」
管理者「バカ殿を信じてください。自信をつけてあげないと」

へぇ、私にはずっと1人でやらせておいて、バカ殿にはずいぶん優しいじゃないか。。。
その甘やかしが、バカな殿を生むのだよ。

言うまでもないが、WBSは私の資料の目次化で足るものであった。
だが、それができない。

各歯車の存在は分かるも、それを組んでお城を完成できないのだ。
必然的に、各プロセスの理解が必要となる。

砲台はあるのに、物見櫓はあるのに、玉を当てて迎撃できない。
索敵できない。防御態勢もとれない。
裸の王様なのだ。

--★反省★--
引継ぎにて交代ということで、教育の義務はありませんでした。
バカ殿の等級も私と同じでしたので、等価=引継ぎ にて交代実現の
構図となります。
教育となると、上下関係が付いてしまい、給与待遇の辻褄が合わなくなる。

無論、バカ殿の出方次第では、ギブアンドテイクのような形で
いろいろ私が教えるシナリオもあり得ただろうし
この人になら城を任せられる、任せたい、というオーナー交代の喜びのような
シナリオもあり得たと思っている。

後任主導、定義作成から、という引継ぎの流れはM社からの引継ぎ時と同様。
繰り返しになるが王道だ。

加えて、同社員からの引継ぎであり、資料あり、引継ぎ期間半年、
同社員による実績約3年あり、築城あり、とあれば
後任者として、そして弊社としては、相当な好土壌であったはず。

・・・のように見える。

天守があって、天守閣に案内されては確信することでしょう。
素人なら。 軍配を振れば何でも動くと。

ズバリ、弊社は素人を寄越したわけだが、それにも気づかないし
私の忠告も、バカ殿の養護という形をとられ空振りに。

また、共通認識でないものは評価されないし、引継ぎされない。
これだけ資料が揃っていても、私の給料や評価に変わりはない。。

別な表現では、私は全てを資料化したが、全てであることや
資料の品質を証明できる人が居ないのだ。
ゆえに、評価もできない、されない、の形。

管理者も評価できないし、バカ殿も分からない。
評価、とは私の業務とバカ殿の戦闘力の両者だ。
どちらが欠けてもテトリスは出来ないだろう。 将棋になる。

ということで、前任者の私としては
母体記事に従えば、引継ぎ資源をすべてドブに捨てることとなる。

だが、全てを資料化して渡した、と書いた。
ある意味正解であり、厳密には1つ抜けている。

そう、目次や全体像を意図的に外して渡したのだ。
だから、歯車ばかりが存在するも、組み立てができない。
しかしながら、目次や全体像とはWBSでもあり、
これの完成こそが即ち業務を理解したということ。
そして、管理者がバカ殿に要求したものでもある。

理解できる人には組み上げられるし、その過程が勉強にもなり
分からなくて質疑応答を繰り返せば、充実した引継ぎにもなる。
質問の数は、やる気の証だ。


パズルのようにぴったりのテトリスは無い。
だから、後任者の着任したてというのは、がむしゃらになるはず。
(単純に、バイトでも何でも、初めって、慣れるまでって、そうでしょ)
特にBP10名規模で24時間365日業務の城主とあらば覚悟が必要だ。

だがしかし、毎日定時で帰るバカ殿、私の荷は引き続き下りない。。
すれ違いは埋まらず、私の退場日ばかりが迫っていき・・・

崩壊の足音

一旦、バカ殿へのOJTも終わってしまった私。
私「バカ殿さん、質疑応答があればどうぞ」
バカ殿「ありません」

質問無しにつき、WBSとは別に引継ぎ完了を管理者に宣言する私。

約束の1か月後、
私「1か月後が経過したため、24365対応実施のための申請をS社へ実施ください」
バカ殿「できません、やったことないので、、」

S社「バカ殿さん、これお願いします」
バカ殿・・・応答なし
私、見て見ぬふり

結局、バカ殿はBP各位の勤務表チェックや押印しかやらず(できず)
ハンコだけ押して定時で帰る毎日。
業務量の変わらない私。


・・・だが、現場の空気が3年前の私の配属当時とは異なっていた。
鉄人が引き続き鉄人である様子を、黙っている空気では無くなっていたのだ。

S社社員「バカ殿、何もやらないじゃん。私さんが結局いつも忙しいままだしね」
S社社員「監視者に文句言ってあげるよ!!」
他BP「バカ殿、いっつも定時だよね。私さんのポジションに着いたばかりで
   毎日定時帰宅はあり得ないっしょ」

厳しい現場なだけに、残っている人は皆よく見ている。。

現場全体が、バカ殿や弊社管理者に対して矛先を向け始めた。
管理者、さすがに焦るも、私に対してはバカ殿への養護姿勢を通していたため
もはや私への相談もできず。

BP各位より、管理者からバカ殿のことを聞かれた、と又聞きした。
管理者のことなんて分かるわけないじゃん、てか、むしろ
何やってるの? 何かできるの? ってね。

管理者は四面楚歌であった。

その後の3者引継ぎ進捗会の内容は言うまでもない。
私「バカ殿さん頑張ってるし~、もう少しで大丈夫ですよ♪」

もやは私にとっては逃げ切りの一択のみ。
そうと決まれば、あえて養護の道へ。

管理者は焦り、私が養護。立場が180度変わっていた。

--★反省★--
後任者目線としては、「やる気のない」前任者のフォローに手をとられるのが
イヤなので、引継ぎ不可能と判断次第、逃げの一手。
撤退は確定していたので、撤退延長などのリスクは消えていました。

ようやくヤバさに気づき動き出す管理者。

後任者の逃げ切り確定につき、将棋の勝敗は確定。

これ以降の体験談は、引継ぎのエッセンスを含みません。
お楽しみとして、現在知り得る情報を記載することとします。

管理者が投了していないため、局面は続きます。
将棋の行方はいかに・・・

王手は追う手

将棋に、「王手は追う手」という格言がある。
追っかけ続けてもダメで、退路を塞いだり挟み撃ちなどして
計画的に詰める必要がある、というもの。

管理者に進言すれば、
管理の不備ではなく現場の努力のせいにするし
バカは養護するし、
どの現場も一緒であると言うし、
現状を部長らには報告しないし・・・

現場を鳥籠状態に仕上げる管理者。突くだけでは壊れない。
こちらも退路を確保しつつ、逆に囲う必要があった。
管理者の手のひら(将棋盤)ではなく、こちらの将棋盤や。
そして死んでもらう。

私は、私同様の被害者を出さないためにも
管理者のこれ以上の暴走を防ぐためにも
管理者の上司にもあたる部長クラスや人事部にも手を回していた。

BP10に社員1名による抜群売り上げ、抜群利益率、
24365対応にリモート遠隔操作付き、
満貫。

援軍を送っても辞めちゃうし、そのうち増援も止めちゃうし。
代えのピッチャーの肩、温まってるんすよねぇ。

単に素だけでもコンプラ違反でしょう。
これに、莫大な利益がぶら下がっているというヤバさ。
じゃ、なんで手厚く守らないのよ。

全ての方面に、管理不備を認めさせた。
どう考えても、おかしい、との役がそろうまでに時間を要した。
会社には、もっとはやく対応してほしかった。
このツケは、結局は弊社のツケにもなるからさ。

管理できていない、見えていなかった状況に対し、急遽
部長対社員の1on1会議が義務付けされた。
ほかにも同様のリスクの芽は無いことの総チェック。

また、現場負荷と社員配属のマッチング対策として
計画的ローテーションが義務化された。

私の退陣は確約されるものとなり、守りが固まった。
(だけど、代えのピッチャー居ないんでしょ。落城は見えていた)

これで、お客様(S社)・弊社部長クラス等のすべてが味方となり
管理者の逃げ道は無い。
(あとは、大好きなバカ殿だけが味方だぞ。。。)

バカな殿

将棋は続いた。
もう一人、中途入社者が即時配属された。

私の退陣1か月前だった。
残念かな、ここにきて、その人は神だった。

・・・この人と一緒に仕事がしたかった・・・
雑談もよくしたし、技術的なことも教わった。
だから、私からも引継ぎ事項をお伝えしたけど、、

管理者「では、バカ殿から神へ引継ぎして2名体制構築(私を除く)
  を急いでください」

ということで、バカ殿に仕事をさせなければ・・・
(私が行ってしまっては、結局、負荷バランスは変わらないよね)
という私と神の思いから、やはり不安定なものになってしまった。

1つズレると全てがズレる。。

で、もちろんバカ殿は理解できていないし、自分のハンコ押しが
無くなっては自分の仕事も無くなってしまうので
引継ぎとして何もできず。

同じWBSを使って(バカ殿→神への引継ぎの)管理したい、、
の管理者の考えも実現できず。。

つまり、管理不能!!!!

さらに、
神は見えているがゆえ、
引き継ぎ無しに自信の将来が回らないことが分かり、
入社後初陣ということもあって、バカ殿に引継ぎを急かし出す。

バカ殿、はぐらかして引き続き楽をする。

だから、神も出来る仕事が増えない。 人が増えただけ。。。
神、焦る。バカ殿に詰め寄る。

バカ殿、立場だけは守りたかったようで、無駄にハンコだけで
威張りだす。

もはや、バカ殿と神・私は口どころか挨拶もしない仲となっていた。
内部崩壊。
再掲、管理不能!!

ここで、管理者、最終手段発動。
管理者「私→神で引継ぎしてください」

残り2週間のこと。
・・・出たよ。丸投げ。 
でも、この一手しか残ってないから、まあそうだろうね。
しかし時間切れだ。 もはやムリゲーだよね。
てめえの作った、養護したバカ殿、どうしたよ。

神と私は開き直るしかなかった。
そして、私が卒業してバカ殿と2人になったら、やってけないって、話をしていた。

両者とも、引継ぎを行う気にはなれなかった。
なぜ、努力する者がバカを見るのか。

落城は神をも吹き飛ばす

ここからは、私の退陣以降の話を含む。
自分の目で見たものでなく、S社現場より伝え聞いたものもある。

送別会・卒業

忙しかったが、S社が送別会を開いてくれた。
四面楚歌のバカ殿は、無論参加できる立場になく欠席を表明。
神も含め、送別会全体が、終始バカ殿の批判となった。

私もブレーキが効かなかった。
私「ハンコしか押さねーんじゃ、事務のおねーちゃんと一緒だろ」
躊躇なく批判した。

管理者、バカ殿への批判姿勢の一致が、全員の目の前で
明らかになった瞬間であった。

バカ殿、ドクターストップ

卒業より1か月強が経過したころ、、
バカ殿、ドクターストップにつきS社撤退。

管理者より、バカ殿へ圧力がかかっていたとのこと。
卒業後、BP各位より聞いた。
さすがに、管理者も養護を継続できる余地は無かったはずだ。

これだけ引継ぎのハードルが下がる好条件にありながら
それを棒に振るとは、S社へも弊社上層部へも
説明がつかない。 単純に管理不十分の形だ。
自分の首や評価があぶなかったはずだ。

上司命令は絶対だ。
そして、毎日定時帰宅じゃ、バカ殿の怠慢であろう。

御恩と奉公? 公正するのか? などと思いきや・・・
これを上回るのが出た。ドクターストップ。
精神的に云った形になったらしい。

とはいえ、幹部のようにハンコだけ押して確かに得したバカ殿。
それで、うつ病??
兵糧を全て食いつぶし、ヤバくなったところでドロンにしか見えない。

契約期間を満了せず、即時退陣をS社と合意したとのこと。

神、退職

卒業より2か月強が経過したころ、、
神が退職してしまった。

私の卒業後、メールベースでのみ神と会話していた。
とにかくヤバい。カムバックお願いと。

退職の相談はなかったが、もはや理由は明確であろう。
バカ殿も居なくなって、引継ぎも無く、
一人で支えろ、って神でも無理だ。

だが、増員の計画は無かったらしい。
最後は、神と管理者が、取っ組み合いとまでは行かないまでも
大喧嘩をして、以降出勤もせずに退職となったらしい。

あれ? もう駒が無いやん・・・
引継ぎの資料だけが残って、、社内で②か?
こうなっては、逆に何人投入しても、もう無理だ。

落城

玉の出陣~落城より厳しいもの

駒がなければ、玉が出るしかない。
その後、管理者が現場に立つことになったという。

だが、近衛が3名付けられて、社員4名体制での参画中とのこと。

これじゃ、、私の1名体制時代をどう説明付けるのか、、
てめえばっかり防御固めやがって、、

以降、業務多忙につき社内イベントより管理者以下4名の出席が
見られることは無い。。

もう一度、私の3年をやれ、、と言われたら
もうできない。

これを、管理者がやるのだから、
道理や因果というものは、存在するものだな、と
あらためて思う。

悪代官が田んぼ(現場)に出たら終わりだろう。
桑やスキを持った農民が居るところに、ポン。
全員を敵に回しているのだから、、、

ナブり殺しだろうなぁ。
生き地獄は見えている。
投了に値する、S社との契約終了は検討されたのかどうか
分からないが、管理者にとっては投了よりも厳しい道が
用意される形となった。

おわりに

「アットホーム」という社風説明が、ブラックのキーワードと
言われるようになったこの時代。

中途採用で、最も提示年収の高い会社を断り
社風で選んで入社したのが今の会社でした。

ところが、
気づいてみれば、、築いてみれば、、、

無に始まり、無に終わる。

管理者、ざまぁ、と読んだ人も居るかもしれない。
確かに管理者には充分に苦しんでもらいたい。

だが、誰が得したのだろう。

スタート時点で、私は管理者と仕事をするのは初めてだったし
バカ殿が入社してくる2年前のことだ。
知らない人に恨みようもない。

こんな足の引っ張り合いのようなことをするために
組織・会社に所属しているのではない。

将棋の駒のように、ぶつけられて、散っていった人も
何が何だか分からないだろう。
会社の盾として、特攻を命じられるのだ。
特攻命令とも知らずに。

では、会社が得したのかというと
これも、部長らが採用を行い組織を大きくしようと
動いたところで、目の前で駒が剥がれてしまう。
エージェントに金ばかり取られて、利益が出る前に
辞められて、何枚貼ってもだめ。

お客様も、弊社メンバがころころ変わってしまうから
安定的なサービスが得られない。
しまいには、鉄人1人だけ。


誰も得しちゃいないじゃないか。
何なんだこれは!!


これを突き詰めて、ひとつ行き着いたのが
「引継ぎ」
でした。


アットホームとは、引継ぎ

仕事はキツかったし、仲間は辞めてくし、
しまいにゃ1人で。。

城主とは、トップとは、孤独なもの。
アットホームな組織を作る役割。
(俺が作る側だったっけか?)

築城して、BP各位やお客様と協調して
チーム・組織として動けるようになったのは
本当によかった。

その力、存分に使って
管理者を、煮るなり焼くなり・・・
いや、

門番からでも使ってやってください。


1+1が2にもならない、こんな不幸を
他の人が被ることのない未来を願うものです。

【引継ぎ】「業務」を引継いで思ったこと

sak-blog.hatenablog.com

はじめに

非定型業務の引継ぎを行うこととなった。
文書化・形にすることができず、引継ぎが困難に。
引継ぎに関する参考書が全然無いし・・・ 

前任者はどうなるの?
後任者は何をしたらいいの?

この度の経験を振り返って反省を残したいと思います。

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結論

◆引継ぎの難易度
定義され形となっている業務は引継ぎやすい。

逆は引継ぎにくく、例えば次のような内容である。
 ノウハウや技能などの定義しにくい業務。
 定義可能だが形となっていない業務。
 定義可能だが組織に認識・共通認識されていないいない業務。

◆引継ぎの工夫
管理者:
 部下や組織の業務を認識し、定義・定量化を行う。
 認識の結果、評価や報酬も行わざるを得ない。
 左記ができなければ、前任者より引継ぎは行われない。

前任者:
 評価されてこなかった業務は引継ぐ義務が無い。
 認識されていないものが、突然沸いて出るようなものだ。
 認識されるが評価されず、引継ぎ時にパクられる状況に
 ならぬよう進行すべき。

後任者:
 定義、未定義の曖昧な領域を、なるべく漏れなく引継ぎ
 されるよう努めるべき。
 管理者が引継ぎまでしっかり行ってくれれば問題ないが
 その保証がなければ、基本的にはスタート時点で後任者が
 劣勢であることは間違いない。従って、引継ぎの主体は
 後任者となる。管理・進行などを能動的に行うべき。

姉妹記事

sak-blog.hatenablog.com

sak-blog.hatenablog.com

もくじ

背景-こんなケースです

例えば、
営業職の引継ぎをイメージしてみましょう。

営業日報を上司に送るだとか勤務表の書き方・・・
なんてのは定型業務だ。マニュアル化し、「読め」、「質問は?」で終われるはず。
世の中に腐るほどノウハウあるのでそちらを参考ください。
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営業の行い方・・・
は人それぞれだし、どうにもできない。
無論、前任者なりの作法や方程式はあろうが、これをそのまま踏襲しろと
申し渡したところで引継ぎにならないのはお分かりだろう。

大袈裟かもしれないが、声の出し方からゴマのすり方、提案交渉術まで、
全てを盗もうったって人間のコピーは一朝一夕にはできない。
(それでメシを食っているわけですからね・・・)
(っていうか、こんなノウハウ・作法まで引継ぎ対象なの? とか。)
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引継ぎ・交代を見据え、教育期間も見込んで人材投入・・・
もはや引継ぎではなく、じっくり教育のレベルまで話が大きくなると
当記事の対象を超えます。。

じゃあ、何をしたら引継ぎOKなのよ・・・ というところで次項へ。

引継対象の定義

⇒後任者が主体で行うべき

ゴールが定義されなければ始まらない、ことは言うまでもない。

定量的な内容は"定義"することが簡単だ。
そもそも形として管理されていることだろう。

営業担当の顧客情報 であれば顧客リストで足る、などを想定する。
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ここで、どこまで定義されているのかが問題となる。
顧客情報って何?
おそらく、顧客の担当者名や連絡先「くらい」は顧客リストに記載されている
「だろう」ことが想定される。

定義の曖昧さ

では、どのレベルまで? となったところで、定義は様々である点に着地する。
「くらい」「だろう」は、あくまで慣習・感覚的であり、定量・定義ではない。

営業部・課などの組織単位で品質の均質化や管理は概ね行われていて
顧客リストのような管理体・システム/データベースも存在することだろう。
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さて、引継ぎの観点では、、

既に形になっているもの(定義済)は、渡して終了。
システム化や、リストが社内で保存・共有されていれば、「渡す」ことすら不要だろう。
必要に応じて、各事項の意味を補足伝達し、質疑応答すればゴールが見える。
議論の余地はほぼ無い。

前述のとおり、全てのマニュアル化・定量化は不可能で、この
形になっていない/できない、未定義情報をどうするのかが論点となる。

未定義情報の引継ぎ

例として次のケースを想定してみる。

前任者は、顧客の誕生日や家族構成までメモを残していた。
誕生日には一報入れるなど、工夫して営業していた。
しかし、誕生日情報の管理は、営業部・課でルール化されていない。
顧客リストに入力欄も無い。
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はたして誕生日情報や一報入れてきた旨は、引き継がれるだろうか?
言うまでもない・・・
(基本的には性悪説で議論を進めます)

ゴールの定義

左記のシナリオ例を踏まえ、ゴールを考えてみると
引継対象の定義、ゴールの定義は「顧客リストの授受」で良いのだろうか??
(のみでよいのだろうか)
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前任者目線で言えば、言うまでもない・・・
後任者目線では、なるべく引き出したいところ。

  ⇒ここのジレンマがキモ・論点だ!!

ここで、
例えば、後任者が「誕生日に何かしていましたか?」と前任者に質問した場合、
仕事として実施していたことを公開できない、というのはおかしい、とか
黙秘は業務違反に抵触することを前提とすると、
前任者は引継ぎせざるを得ない。


一旦ここまでの議論をベースに各人がとるアクションを考えると、
情報ごとに次のようになる。

定量的で組織で定義された情報
 ⇒そのまま横流しで終了。

◆未定義情報
 ⇒前任者が能動的に引継ぎされる可能性は言うまでもなく・・・少ない。
   前提:性悪説

 ⇒後任者が能動的に引継ぎを行う場合、前任者は仕事の実績に対する回答を拒否できない。
   前提:仕事として実施していた事実が共通認識である

つまり・・・
後任者は未定義情報の入手を能動的に行ったほうがよい(仕事のやる気があるなら)。

→状況を考えると、
平たく言えば、後任者が劣勢である。
性悪説前提で受け身の場合、受ける権利のある事項をロストしてしまうからだ。

さらには、組織の損失・劣勢との見方もできよう。
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では、劣勢側の防衛策はないのでしょうか・・・次項へ。

引継ぎの品質

⇒後任者の技量による。後任者目線で言えば武装はより多いほうがよい(直ちに武装せよ)。

100%以上の引継ぎが、皆HAPPY。
ただし、100%を下回っても前任者はHAPPY。(100%以上にHAPPY!?)

組織や後任者としては、何とか引継ぎの品質を上げたいところ。
どのような策があるのか。。

ここでは、組織や後任者が主眼・論点となるところ。
引き続き、情報の種類別に見てみます。

品質

引継ぎの品質とは何かについて、簡単に考えてみたい。

本来、後任者や組織が前任者より引継ぎを受ける権利のある資産を
実際にどれだけ引き受けられたか、としたい。
もしかすると、権利はあるもゴミも含まれているかもしれないし
不要なものもあるかも。。
例外的だが、後任者が忙しすぎて引継ぎに時間を裂けず自爆に至る場合あり。

引継ぎ後に発生した損失、と表現すれば早いか。
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品質担保(のしやすさ)について、引き続き情報の種類毎に見てみたいと思います。

定量的で組織で定義された情報
定義された情報は、必然的に共通認識となる。すると、品質管理も行いやすくなるかと。
なるべく広範に定義が行われているほうが、組織および後任者には有利ということに。

誕生日情報が顧客リストにあればよいのです。営業マニュアルがあればよいのです。
そして、年までなのか、年月日までなのか、西暦or和暦などの表現・・・
などと定義を深堀すれば、品質は向上していくことでしょう。

このような管理を行うのがマネージャ。管理が行き届いていないと
引継ぎ時に(組織・後任者は)劣勢となりやすい。
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管理の範囲と品質を上げること。誕生日情報が顧客リストにあるだけでは
反映・更新がなされているかまで管理できているとは言えませんね。
引継ぎ時に、なぜ未入力なの? と言えると、結果的に無いものは
引継ぎできないが、前任者の落ち度であることが明確であるだけで
後任者の気は楽になる。

◆未定義情報
後任者の技量による。 そもそも、誕生日に何かするの?
といった初心者レベルであれば
前任者に聞いておかなきゃ、といった境地にすら至れない。
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無論、引継ぎにマネージャや同僚が関与・助太刀してくれれば助かるが
忙しいから担当者間でやれ、なんてところも結構あるのでは?

さらには、引継ぎが終わって数か月し、契約終了なりクレームなりを食らってから
「何てこったい」「前任者のようにちゃんと働け」などと攻められたらたまらない。

引継ぎされていないから、再び1から積み上げることになるも、
顧客からみれば当然、同じ「弊社」と取引している感覚だ。
効率が落ちたり、無能力者、遅くなった・・・などと
後任者は、顧客から見て「悪く」映ることだろう。

無知の無知は、どうしようもない。
後任者はなるべく多くを想定・学習して引継ぎに臨むしかない。
無論、上司同僚をはじめとした有識者の協力を得ることは一興だ。

つまり・・・
後任者は、十分なキャリア・経験者でもなければ、可能な限り知識をかき集めるしかない。

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繰り返しになるが、組織や有識者を味方につけることも有用だ。

ここで、社長役員まで付けて前任者と向かい合えば皆HAPPYなのだろうか。
管理が徹底していなくても、引継ぎ時に殿様方が出合えば万事解決? 管理不要?

 殿様:「引継ぎ量はそんなもんじゃねぇだろう、前任者よ、もっと出せや~」
 社長:「もっと出さねぇと、死んでも吐かせるぞ~」
f:id:g071067:20200417194807p:plain
これぞブラックなのでしょうか・・・

おっと、今度は前任者が劣勢?
前任者の立場での考察も必要そうですね。次項にて、、

仕事の評価と引継ぎ

⇒前任者が評価を得ていないプロセスは引き継がれない

評価を、プロセスと結果から行っている会社は多いだろう。
0:10の成果主義含め、比率は様々だろうが。

引継ぎにおいても、結果とプロセスが対象となる。
結果が顧客・顧客情報などの定量的なもの、プロセスが未定義情報に概ね該当する。

そもそも組織に認識されていないプロセスは、評価されるわけがない。
ここでも無知の無知の世界で説明がつく。
  ・・・知らないものの評価を行いようが無いでしょ。

プロセスの認識(組織・管理者も認識。共通認識)と評価
が行われていることがベストだが、現実はなかなかうまくいかない・・・
別途、結果が出ており結果で評価されている可能性は考えられる。

では、結果に到達しないプロセスは評価されない、結果主義でよいのか・・・
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さて、引継ぎに話を戻そう。
評価されないプロセスを、次の2種類に分けて考えてみたい。
キーワードは認識と結果だ。

認識されていないプロセス

(実施命令は無いけど、前任者が有益と思って実施していたこと)
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まさに未定義情報と言えよう。誕生日の情報を集めたり一報入れるプロセスが
認識されていなければ、前任者よりわざわざ引き継がれることは無いでしょう。
(性悪説前提ですので)

無論、ここでいう有益とは前任者自身の利益・損得のことだ。
評価されないにもかかわらず、将来の収穫に繋がると読み、
前任者は投資してきたのだ。
(少しでもお客様のことを知ろう、ネタ集めしよう、とかね)


ここで、確か前任者さんって、誕生日情報を収集してませんでしたっけ?
なんてことになれば、前任者は引き継がざるを得ないかもしれない。
このプロセスが共通認識となってしまえば、
途端に前述の前提に該当してしまうからだ。

少なくとも、勤務時間内に実施していた
(から必要な仕事でしょ? じゃあ、しっかり引継がなきゃでしょ?)
などとなるようであれば、これはプロセス評価されている前提に持ち込まれる。
時給として労働が「時間」に対して対価を出しているからだ。

プロセスの内容が認識理解されていなくとも、一律、「時間」に払われている。
プロセス評価でかつ、プロセスの認識が欠落する温床の一例だ。

では、全ての仕事時間・拘束時間に給与が発生しているかというと
グレーが多い。また、割に合っているかも微妙だ。
前任者目線では、ほぼサービス残業で実施してきた、など
評価に納得いかない場合もあろう。

行きたくもない飲み会やゴルフに接待として実施し、会話の中で
誕生日情報を入手したかもしれない。
飲み会代・ゴルフ代や時給は出るだろうか。
(だから結果主義を採用するのかも、ですがね)
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そこで前任者は、評価されない努力(プロセス)をタダで会社に回収されることを嫌気し
会社に隠して共通認識とならぬようプロセスを実施して自己投資を重ね
結果で評価を受けるように(受けられるように・までに)
なるでしょう(努めることでしょう)。

プロセス評価の場合、ある種、評価されないプロセスは
仕事に不要なプロセスであると認識されているとも言える。
不要なのに、なぜ引継ぎ対象になる?? と矛盾を主張したくなる。

ま、あるんだから、ここで捨てること無いじゃん
と組織より詰められることは明白で、やはりひた隠しに個人で進め
結果に到達するまで影の努力をするしかない。。

後任者目線で、これを掘り起こすのはかなり困難と想定される。
何より黙秘が成立するので、引き継ぎを受けることができない。
まあ、性善説に立てば評価の無いものを"よこせ"は言い難いですよね。

結果の出ないプロセス

(実施命令は有るけど、前任者が無益と思って実施していたこと)

意味が無いと分かっていても、強制的に実施させられるプロセス、ありますよね。
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誕生日情報、一応取っといて!とわがまま上司に頭ごなしに言われて
実施してきたかもしれない。でも、評価されない、言ったことすら忘れかけてる上司・・・

5年後に花が咲くプロセスで、今3年目。あと2年実施しなければ結果は出ないし意味が無い。
・・・にもかかわらず、収穫期を迎える前に異動が宣告されたかもしれない。
   昇格やボーナスにも繋がらず、結局尻だけ叩かれ続けて
   使われた挙句、異動切り、さよなら社内人脈クリア
   ブラック人事ロンダリングみたいな。。

上記のような、後任者のアシストに(なる可能性がある)しかならない内容が
引き継がれると思いますか?

命令なので、おそらく顧客リストに誕生日欄があると想定されますが、
評価されないだけあって、概ね管理状態は曖昧なはずです。

無論、しっかりと管理されているのであれば、評価もしっかり
されたいわけで、引継ぎ以前の段階で前任者と上司が
評価に対する協議をしているはずです。

引継ぎの段階になって、ああ、埋まっていない項目あるね~

→何らかの理由をつけて・・・例えば
聞きそびれてました、、とか、お客様が結構イヤがるんスよね~とか
たとえ情報を持っていたとしても、対後任者というか、対組織に
情報を献上することはアホくさいでしょう。

前任者目線では、評価されないわけですから
(結果・評価が得られるのは先であることが前提)
恨みも含めておもいっきりドブに捨ててやればよいのです。
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評価しないくせに、「ちょーだいな」でタダで貰おうっていうわけですからヒドい。
その後、自身が抜けた後、所属していたその組織が衰退していく様子を
ほくそ笑みながら眺めるしかありません。
(性悪説が前提ですので)
(わざと陥れるために行っているわけではない)


後任者、前任者目線で考えてまいりましたが、
何だか組織として不幸しか無いように思えてきます。

明るい道は無いのか、最後に考えてみます。

プロセスの管理


ここまで、引継ぎの悪い面を考察してきた。
悪いことを前提に、その対策はどうあるべきかを
後任者・前任者目線で追った。

一旦、このような悪いフィールドで働くことを前提とすれば
結論は前述までで出たと思っている。

最後に、
なぜ悪い状況になってしまったのかや、
何を以て良し悪しを判定するかを考察し、
悪い環境の改善であったり、
後任者がそもそも悪い環境へ参入しない、
悪条件の引継ぎを拒否・警戒するといった
ブラック対策の可能性を模索して、明るい未来への道筋を考えてみたい。

⇒長くなりましたので、別記事といたします(以下です)

sak-blog.hatenablog.com

私のケース

理詰めが先行したところで、自分の経験を反省したい。

⇒長くなりましたので、別記事といたします(以下です)

sak-blog.hatenablog.com